星はとても遠くにあって、人間が見ている星は、とても昔のその星の姿らしい。

それは、星が人間の生きている時間よりも遥かに長い時間、自分で、誰かに支えられて、輝き続けていることを意味している。

そして、"私"が宙を見上げ、その星をみることで、初めてその輝きは"私"に対して意味を持つ。

気まぐれにその輝きを星自身や他の何かが絶やしたり、"私"が星をみなければ、途方もない時を重ねてここまでやってきた旅人が、"私"に出会うことは出来ないわけだ。

 

別にそんなことしなくてもいいのに、どうやら星は、輝こうとしたらしい。

星も大変なはずなのにな。そこに住んでいるヤツらは好き勝手動いてる。下手したら自分に不都合なことばかりやって、自分の輝きすらそいつらに失わせられるかもしれない。

それでも星は、星の中でも輝けない星や、輝きが届かない星なんてたくさんあって、どうやら自分は恵まれて生まれたみたいだから、せめて少しでも届ける努力をしようと思ったらしい。

 

でも、いざやってみようとすると、星なんて他にも数えきれないくらいあって、"私"が見つける保証なんてない。しかも周りの星は自分より"私"に近い星もたくさんあるし、生まれ持って自分より綺麗な輝きをする星もある。"私"達は何故か星を繋げて星座~とか言って盛り上がってるし、あほなん?生まれた場所と才能で、自分がみられやすくなるか決まってたまるかって多分思ってる。

 

どうやらそれでも、輝きを届けようとしてくれるみたいだ。

星っていうのは、どうやらバカらしい。

わりに合わない。永遠の近似のような時間の中で、ふときまぐれに目の前を何かが通っても届かなくなる。輝きの美を伝えるためには、仮面を着けてでも、星の輝き以外の醜いところを届けるわけにはいかない。

 

でも、輝き続けてるのはなぜだろう。

わかんねえわ、わかるようなことじゃないんだろうな。

 

でも、ひとつだけわかることがあるとすれば、星が"私"に届くまでの時間のその一瞬一瞬を、どこかで見ている星とか、ナニカがあるってことだと思う。

星は輝きを届ける、その届けるまでの時間を、いろいろな周りの力を借りてここまで届けてる。一瞬でも気が抜けたら、あんなに遠い距離にある輝きは"私"には届かない。

そして空間には、その星の時間が確かに連続した空間として存在していて、"私"の知らないところで常に、その"星"が私に届くまでが同一で存在している。

これは、"私"が気まぐれにみたちいさな一瞬にある星は、ちいさな一瞬の星でしかないわけだが、確かにそこにはその星が今まで続けてきた旅が混同して存在しているということだ。

 

星は語らない。それでも私は、時と空間が重なり合った星の永い旅路に、星が輝き続ける理由があるのではないかと信じて、今夜も宙を見上げようと思う。

 

あ......今夜、曇りだった......

輝きって、弱いよな......

"私"の目の前に、覆いかぶさる何かがあっただけで失われるんだから。

輝きを一生"自分"に閉じ込められる箱が、あってほしいものです;;

 

 

人間がスターになるための時間を、見上げた星との時間差で表して、今から、その星に至るまでで例えて光年計算するの、やっぱり少し嫌だよな、って思ってたり、思ってなかったり。